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25 目次糖尿高血圧        

糖尿病とは どんな病気か 血液中の糖分が慢性的に多くなる病気
40歳以上の10人に1人は糖尿病
なぜ糖尿病がこんなに増えたのか
糖尿病のほとんどは遺伝的素因に環境が重なって起こる
糖尿病が起こる 仕組み 血糖を調節する中心的な役割を担っているのがインスリン
膵臓でのインスリン分泌に問題があって血糖が上がる
細胞でインスリンガうまく働けないため高血糖を招く
糖尿病は 合併症 が怖い 糖尿病を放置すると合併症が進行する
糖尿病の合併症は全身に現れる
糖尿病を見つけるには
早期発見のためには定期的な検査が欠かせない

 

 

 


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 血液中の糖分が慢性的に多くなる病気

「糖尿病」は、その病名から、尿に糖が出る病気だと考えられがちですが、必ずしもそうではありません。
血液中の糖(血糖)の量が、慢性的に多くなる病気が糖尿病です。
尿に糖が出てくるのは、ある一定以上に血糖が多くなった場合で、糖尿病であっても、
尿に糖が出ないことはあります。
 血液中に糖の多い状態が長く続くと、その結果として、しだいに血管や神経が痛めつけられ、腎臓、目、神経をはじめとする、全身のさまざまな部位に障害を起こします。
こうした合併症を引き起こすのが、糖尿病の恐ろしいところです。
 また、糖尿病はかなり進行しないと、自覚症状は出てきません。
そのため、血糖値の高い状態が続いていても、
本人が病気に気づいていないことがよくあります。


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 1997年に厚生省が行った糖尿病実態調査の結果から推計すると、
わが国には糖尿病の人
(糖尿病が強く疑われる人)が約690万人いると考えられます。
また、糖尿病予備軍といわれる
耐糖能異常の人(糖尿病の可能性を否定できない人)が約680万人になります。
つまり、予備軍を含めると、
実に1370万人という膨大な数にのぼることがわかったのです。
 年代別に見ると、糖尿病の人の割合は、
    60歳代の男性が最も高く17.3%
 次いで70歳代女性の15.5%となっています。
   また、この調査結果は、40歳以上のほぼ10人に1人が、
糖尿病であることを示しています。

 糖尿病の人のうち、治療を受けている人は45%に過ぎませんでした。
治療を受けていない人のなかには、健康診断で「異常なし」と言われた人もいますが、健康診断や医療機関で「異常」を指摘されたが治療を受けていない人や、治療を中断した人も含まれています。

 

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 糖尿病は年々増える傾向にあります。
糖尿病の発症には、
糖尿病になりやすい体質と、過食や運動不足などの環境が深くかかわっていますが、
体質をもつ人が増えているとは考えられません。
したがって、糖尿病の増加の原因は、環境の側にあるといえます。

 食事で摂取するエネルギーの量は、60年代までは増加していますが、
70年代に入ると徐々に低下しています。
ところが、それにもかかわらず、肥満は増え続けています。
これは、運動量が減り、相対的に摂取エネルギーが過剰になっているためです。
 運動量が減った原因としては、生活が便利になったことがあげられます。
自動車の保有台数を調べてみると、
これが増えるに従って、肥満も増え、糖尿病も増えるという傾向が見られます。
つまり、生活が便利になったことで起こる
        運動不足と肥満 が、糖尿病を増やす大きな原因になっているのです。

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 糖尿病のほとんどは、糖尿病になりやすい体質をもっている人に、
「過食、運動不足、肥満、妊娠、大量飲酒、ストレス」などの環境要因が重なったときに発症します。
糖尿病になりやすい体質は遺伝するものなので、
近親者に糖尿病の人がいる場合には、環境要因が加われば発症する可能性が高くなります。

 逆に、糖尿病になりやすい体質をもたない人なら、環境要因が加わっても、
糖尿病になることはほとんどありません。
糖尿病は生活習慣病といわれていますが、必ずしも生活習慣だけで起こる病気ではないのです。
 しかし、糖尿病になりやすい体質をもっている人はかなり多く、
日本人の3割ぐらいではないかと考えられています。
つまり、決して特殊な体質ではないのです。
現在、糖尿病および糖尿病予備軍の人が約1370万人もいると推計されていますが、
体質を持っている人が多いからこそ、ここまで増えてきたのだと考えられます。


 これまで近親者に糖尿病の人がいないからといって、必ずしも体質を持っていないとは言えません。

 


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 血糖はさまざまな要因によって変動しますが、一定の範囲に保たれるように、ホルモンによってコントロールされています。血糖を下げる仕組みの中心的な役割を果たしているのが「インスリン」というホルモンです。

 食事をすると、糖質は消化管でブドウ糖にまで分解され、吸収されて血液中に入り込みます。
このブドウ糖はまず肝臓へ運ばれていきます。このときに膵臓のランゲルハンス島にあるB細胞は、血糖値が上がったことを感知すると、インスリンを分泌します。インスリンは肝臓の細胞に働きかけ、ブドウ糖からグリコーゲンを合成して、細胞内に蓄えさせます。グリコーゲンは、いくつものブドウ糖が結合してできるでんぷんと似た物質です。

 インスリンは全身の筋肉にも働きかけ、エネルギー源とするためのグリコーゲンを、筋肉細胞内に蓄えさせます。それでも余ったブドウ糖は、脂肪につくり変えて脂肪組織に蓄えさせます。
 このように、インスリンは肝臓や筋肉などの細胞に働きかけて、そこに糖を取り込ませる仕事をしています。
この仕事が十分に行われないと、血糖値を正常な状態に保つことができなくなるのです。
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 膵臓でのインスリン分泌がうまくいかないために、糖尿病になることがあります。
 例えば、膵臓のB細胞が、免疫異常などの原因で破壊されてしまうことがあります。
B細胞が9割破壊されるまでは、残されたB細胞からのインスリンで血糖をコントロールできますが、それ以上破壊されてしまうと、高血糖を抑えることができません。B細胞の破壊はさらに進行し続け、最終的にはインスリンがほとんど分泌されない状態になります。
こうして起こる糖尿病が「1型(インスリン依存型)糖尿病」です。

 たとえインスリンが分泌されていても、
   その量が不足していたり、
分泌されるタイミングが遅かったりすると、十分に食後の血糖の上昇を抑えることができません。
B細胞の中には、血糖の上昇を感知し、その情報を伝達して、インスリンを分泌する複雑な仕組みがあります。このどこかに異常が起きていると、十分な量のインスリンが分泌されなかったり、分泌のタイミングが遅れたりして、血糖値の上昇を招いてしまいます。過食、運動不足、肥満などで膵臓に負担がかかった場合に、B細胞のインスリン分泌システムが異常を来すことがあります。
こうして起こる糖尿病は、「2型(インスリン非依存型)糖尿病」に分類されます。

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 インスリンはたくさん分泌されているのに、糖尿病になることがあります。

これは、肝臓や筋肉などの細胞に対して、
インスリンの効果を発揮できなくなるために起こります。
このようなインスリンの働きが悪くなっている状態を「インスリン抵抗性」といいます。
 膵臓のB細胞から血液中に分泌されたインスリンは、
肝臓や筋肉などの細胞にあるインスリン受容体に結合し、
血液中の糖を取り込むように命ずる情報を細胞に送ります。
受容体に結合したインスリンから出された情報は、細胞内で次々と伝達されていき、
最終的に細胞が糖を取り込んだり、グリコーゲンを合成します。

 このとき、受容体の働きが悪くなっていたり、
細胞内での情報伝達経路に異常が生じていたりすると、
インスリンは分泌されているのに、細胞が糖を十分に取り込めなくなります。
こうなると血糖値が上がってしまいます。
2型糖尿病にはこのようなメカニズムで起こるものもあります。

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 糖尿病の適切な治療が行われず、高血糖の状態が持続すると、さまざまな合併症が現れてきます。自覚症状がないからと糖尿病の治療を怠り、その結果、合併症を進行させてしまうケースがよくあります。

 糖尿病による高血糖が合併症を生み出すのは、全身がいわば糖漬けの状態になるからだと考えられています。
 血糖が高くなると、細胞の中に「ソルビトール」という糖の一種がたまるようになります。すると、浸透圧が増して、細胞内に水分が入ってきて、細胞は水ぶくれの状態になってしまい、それによって、さまざまな障害が生み出されるのです。
 また、高血糖になると、たんばく質にブドウ糖が結合し、機能を弱めたり、組織の老化を早めます。
これも合併症の発症に関係すると考えられています。

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 糖尿病では、全身にさまざまな合併症が起こりますが、
なかでも代表的なものが「網膜症」
           「腎症」
           「神経障害」で、
これを″糖尿病の3大合併症″といいます。

 網膜症が進行すると失明に至ることがありますし、
 腎症が進行すると透析療法が必要になることもあります。
 神経障害は全身にさまざまな影響を及ぼしますが、壊痘を起こし、足などを切断するケースもあります。
 そのほか、動脈硬化を進行させ、脳卒中や虚血性心疾患の原因にもなりますし、さまざまな合併症を招きます。
 糖尿病は、きちんと血糖コントロールしていれば、決して怖い病気ではありません。血糖コントロールをおろそかにして、合併症を進行させてしまったときが怖いのです。


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尿が多く、のどが渇き、疲れやすくなれば糖尿病を疑う

 糖尿病を発見するのに役立つ自覚症状としては、
 「だるい、疲れやすい」
 「尿が多い」
 「のどが渇く」などがあげられます。

「だるくなったり、疲れやすくなったりする」のは、本来はエネルギー源であるブドウ糖が、インスリンの作用不足によって、十分に利用できないためです。血液中のブドウ糖をエネルギーに変えることができないため、疲れやすくなります。
 「尿が多くなる」のは、血液中のブドウ糖を尿として排出するためです。
血糖値がある一定以上に高くなると、腎臓では糖を吸収し切れなくなるため、糖が尿と一緒に体外に排出されるようになります。このとき、たくさんの水分が必要になり、その結果、尿の量が多くなるのです。また、尿に糖が含まれるため、においが通常と変わってきます。
 「のどが渇く」のは、尿として多量の水分が出ていく結果です。
体内の水分が不足するため、のどの渇きを覚えるようになります。
 さらに、糖が尿に出ていくようになると、排泄エネルギー源が使われずに排泄されてしまうため、体重が減少してくることがあります。

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けんさ

 糖尿病では、前述したような自覚症状が現れることがありますが、それは糖尿病がある程度進行してからです。
 そこで、糖尿病を早く発見するためには、定期的に検査を受けることが必要になります。
特に近親者に糖尿病の人がいたり、「肥満、運動不足、食べ過ぎ、大量飲酒、ストレス」
などの危険因子をもっている人は、きちんと検査を受けるようにします。
そして、検査の結果、異常があると指摘されたら、
すぐに医療機関を受診することが大切です。

 糖尿病予備軍の人は、糖尿病の予防に努めましょう。
治療として行われる食事療法や運動療法が、そのまま予防法にもなります。

     
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